ボトックスは、ボツリニウム毒素 (Botulinum toxin) を人体に安全に使用できるように作られた治療薬で、薬物が注入された部位の神経末端から分泌されていた神経伝達物質（アセチルコリン）の分泌が一時的に抑制され、ご希望の部位の筋肉や唾液腺、汗腺、皮脂腺などの機能や作用を選択的に抑制する効果が現れます。

ボトックスが最も多く使われる部位は目元、額、眉間、あごなどで、シワ改善に使われます。その他にも首やほうれい線、唇、目尻のシワにも使われます。例えば額のシワは眉毛を上げたり眉をひそめたりする時にできますが、この時に少量のボトックスを注入するだけで大きな効果が得られます。また、眉間のシワもボトックスにより効果的に取り除くことができます。これによりたるんだ眉毛が上に上がって見える付加的な効果も得られます。

さらに、全体的な顔の印象を改善させる効果にも期待できます。顔の主要な筋肉部位に丁寧かつ精巧な施術によりボトックスを注入することで、全体的なリフトアップ効果が得られます。これにより年を取るにつれて顔の筋肉がたるんでシワができるのを改善し、顔の輪郭を生かしてシワをなくす効果が同時に見られます。

通常、2〜3日後から1週間の間に効果が現れ始めます（個人差あり）。普通は3〜6か月程度持続し、適度な間隔で追加施術を行う場合、持続期間を比較的長引かせることができます。

額ボトックスの施術時、眉毛のすぐ上には施術しませんが、薬物が拡散する過程でこの症状が出ることがあります。2〜3週間程度は不快感があるかもしれませんが、普通は1か月後から徐々に良くなります。2〜3か月後には元に戻りますので、あまり心配しなくても大丈夫です。あまりにも不快感が強い場合は、病院に来院して院長の診療後、適切な措置を取ることで、もう少し早く回復します。

ほとんどの一般のボトックスは、純粋なニューロトキシンに相対的にサイズの大きな複合タンパク質 (750kD) を結合させて目に見える白い粉状に加工しますが、複合タンパク質の粒子のサイズが大きいため、体内に注入する場合は免疫細胞に抗原として認識され、それに対する抗体が形成されて薬物に対する耐性を誘発する可能性があります。

一方、ゼオミンの場合は、高度な技術力で複合タンパク質を分離する技術を開発し、純粋なニューロトキシンのみを作って免疫反応の可能性を著しく下げたため、耐性発現率が非常に低いです。